自分の価値観を押しつけるおじさま。女性にもてない典型的な男性です。ワインの薀蓄たれに、多くみられます。きっと、自分こそ正しく、自分こそ正義で、間違いを指摘してあげなくてはとの思いやりなのでしょうね。 「80年代のドンペリは、フルートグラスで…
最近はまっているのが、白身の“利き鮨”。白身を目隠しで含味し、鮨ダネをいいあてるというもの。ウニやマグロなど濃厚なタネはたやすくも、白身となると難易度が一気にあがります。 タイやひらめなどの白身は一般的に、「淡泊な味」とひとくくりにされがち。…
焼き肉にはかかせない、牛タン。わたしの楽しみ方は厚さ1mmの「極薄」スライス。まるで“生ハム”のような薄さです。 それを可能にしたのが、“ハイテク”ロースター。ハイテクロースターは、網の内部に水がとおっているのが特徴です。それゆえ、網の内部は100度…
「ブルゴーニュ」「ヴォーヌ・ロマネ」「ロマネ・コンティ」は、いずれもワインの名。それぞれ「地方名」「村名」「畑名」に該当。ワインの原料となるぶどうがどの場所で収穫されたかをあらわしています。 価格は、地方名<村名<畑名とたかくなるのが一般的…
炙りの定番、トロとサーモン。炙るとあぶらがとろけて、いっそう美味にいただけます。「炙り」にもちいるタネは、身が厚く、脂がよくのった成魚が一般的。ところが、わたしが知る鮨屋のなかで今夜のなじみ店のみ、“コハダ”を炙り鮨として供します。脂のりは…
「グラスフェッド・ビーフ」は、牧草のみでそだった牛。対して、「ホワイトフェッド・ヴィール」。生まれて乳のみしか摂取していない乳飲み仔牛のことです。〝ヴィール〟とは、生後およそ8ヶ月までの仔牛を意味します。 国内で流通している仔牛肉の多くは〝…
北京料理を代表する「全鴨席(チェエアンヤーシー)」をご存知でしょうか。全鴨席とは、北京ダックを一羽丸ごとつかったフルコースのこと。皮はポーピン(薄餅)でつつみ、身は炒め物、内臓は唐揚げ、水かきは塩茹、骨はスープとして、ムダなく食べ尽くすこ…
トォクトォクトォクトォク…。ワインの魅力は、けっして香りや味だけではありません。グラスにそそがれるワインの“音色”。このうえない贅沢感と心地よさをおぼえます。 こんやは《ミッシェル・グロ/ブルゴーニュ・コートドール2019》。その音色は、マリンバ…
テロワールやヴィンテージ・チャートなどの記録より、“記憶に残る”シャンパーニュ。わたしにとっての最近の“記憶に残る”は、《テタンジェ・ブリュット・ヴィンテージ 2013》です。 “出逢い”は、およそ2年まえ。スモーキーで複雑な薫香と炙った木樽をカンナ…
七輪の魅力、それは遠赤外線。炭だけでなく、加熱されると七輪もが遠赤外線を放出します。遠赤外線は食材の内部にまで到達。そのため「表面は焦げているのに、なかは生焼け」ということがありません。また、食材の水分を振動させて熱を発生させるため、ふっ…
中華を代表する食材「ふかひれ」。サメのひれを乾燥させたもので、それ自体にはあまり香味がなく、スープの旨味をふくませる調理法が一般的です。 こんやは《J.M.ティシエ/ルフレ・ド・テール》といただく「ふかひれの姿煮」。シャンパーニュの甘辛度はドゥ…
ミノ・ハチノス・センマイ・赤センマイ。“牛ホルモン”好きには、うれしいラインナップです。しかしそれらの部位が内臓のどこに該当するのかご存知の方は、少ないかもしれません。こたえはすべて「胃」。牛は胃を4つももっており、列挙した順に、第1~第4…
中国発祥の「餃子」。現在、日本で親しまれている餃子とはすこし異なります。中国の餃子は日本の餃子より皮が厚く、“蒸し” もしくは “茹で” が主流。それが「主食」として食されることもめずらしくありません。一方日本の皮は薄く、“焼き” がポピュラー。「…
グランピングといえば、バーベキュー。「グラマラス(豪華な)+キャンピング」という名のごとく、分厚いステーキを楽しみたい。じっくり火を入れ、ジューシーに焼きあげた厚切りステーキは、このうえなく贅沢なバーベキューを演出してくれます。 ただひとつ…
「マルチヴィンテージ」とは、ヴィンテージのことなるワインをブレンドしてつくるシャンパーニュ。このブレンドのことを、“アッサンブラージュ”といいます。 そのマルチヴィンテージというカテゴリーのなかで、《ルイ・ロデレール》がうちだした新機軸が「ワ…
鮨をかたるうえで、はずせないのが「シャリ」。空気をふくみふっくら握られたシャリは、口のなかでほろほろとほどけるように崩れます。 そんなわたし好みのシャリを握ってくれるのが、今夜のなじみ店。どの鮨ダネも絶妙な〝シャリほどけ〟です。たとえば「フ…
しょう油をつけなくてもよい江戸前鮨。にぎりたては箸ではなく、指でつまんで食したいもの。わたしは「人さし指」と「なか指」をひとつの指のようにそろえ、親指を軽くそえていただきます。鮨をやさしく“つつむ”ようなイメージです。こんやは《モイヤ・ジョ…
赤身に分類されるフィレ肉。ほそながい円錐状の部位で、断面の大きい方から「テット」「シャトーブリアン」「ミニョン」に分類されます。なかでも、もっとも稀少な部位がシャトーブリアン。〝究極の赤身肉〟と称されているので、完全な赤身と思っているひと…
旅の楽しみのひとつが、「食」。あらかじめ、その土地の名産品や郷土料理をしらべ、お店を予約されるという方も多いのではないでしょうか。 そんな「食」の時間を、さらに素敵に演出してくれるのが “シャンパーニュ” という存在。かずあるお酒のなかでも、と…
《フランク・ボンヴィル》は、たぐいまれなシャンパーニュ・メゾン。なぜなら、グランクリュ(特級)のブラン・ド・ブラン(シャルドネ100%)を専門とするからです。 こんやはメゾンの象徴、《グランクリュ・ブラン・ド・ブラン・ブリュット》を抜栓。特筆…
おなじシャルドネでも、他のブルゴーニュと一線を画す存在が「シャブリ」。主たる特徴は土壌にあります。シャブリ地区はジュラ紀に堆積したキンメリジャン地層。牡蠣の化石をおおくふくみ、独特のミネラル感をワインに付与します。 こんやは《ドメーヌ・ジョ…
おなじ銘柄のことなるヴィンテージを比較する、垂直のみ。こんやは《ジェシオム/サントネ・プルミエクリュ〝レ・グラビエール〟》の2013年と2016年。とりわけ興味ぶかいのは、《2013》は前オーナー、《2016》は現オーナーがてがけたヴィンテージという点で…
「熟成」とは、ワインの香りや味にあらたな価値をもたらすこと。一般的に赤ワインは、空気にふれるとまろやかになります。 そんな「熟成」に効果的なのが、ボウルの大きなワイングラスの活用。ワインをひらかせる〝デキャンタージュ〟のはたらきをするからで…
シャンパーニュはおもに三品種からつくられます。エレガントな酸の「シャルドネ」、コクを付与する「ピノ・ノワール」、瑞々しい果実味の「ピノ・ムニエ」です。 こんやセレクトしたのは、コート・デ・バールの生産者《アンリ・ブラン/ブランズ》。ピノ・ム…
「ナパ・バレー」は、だれもがしるアメリカワインの名産地。そんなナパ・バレーに匹敵する、〝中国〟の銘醸地が「寧夏(ねいか)」。西北地区に位置し、さっこん世界中から注目をあつめています。 なかでも《ル・シズィエム・エレマン》はとりわけ秀逸なワイ…
鮨店のつくりは〝カウンター〟が特徴。対して、ろばた焼きは〝いろり〟がシンボル。中央のいろりで店主が食材を焼き、それを囲みながら料理をいただきます。 こんやは《パスカル・アグラパール/7クリュ》で楽しむ、ろばた焼き。グランクリュをふくむ、7つの…
「パテ・ド・カンパーニュ」とは、豚肉やレバーを型にいれて焼き上げる、フランスの伝統料理。季節をとわないグランドメニューです。 こんや抜栓のシャンパーニュは《ジャン・ルイ・ドゥパリ/エクストラ・ブリュット》。洗練された酸、余韻につづく苦味、温…
こんやの鮨ダネは、メイチダイ。「背」と「腹」を楽しみます。幼魚の目に黒い筋がいっぽん通っていることが〝メイチ〟という名の由来です。 シャンパーニュは《ボーモンデクレイエール》から二本をセレクト。《グラン・レゼルヴ・ブリュット》は熟成感が漂う…
「鴨のロースト・オレンジ煮」。いまではスタンダードな料理ですが、歴史をさかのぼること1582年。パリにて創業の老舗レストラン「トゥール・ダルジャン」のスペシャリテです。スペシャリテとは、そのレストランがもっとも得意とする料理のこと。 そんな鴨の…
いかに厚みのある肉をおいしく焼くか。肉の中心部の温度が決め手となります。レアなら中心部が55~65度以下、ミディアム・レアなら65度が最適。温度が高すぎると硬くなり、低すぎると生っぽくなります。 今夜あわせるワインは、レアにはボルネイのプル…